群馬県安中市の山奥にある極上のぬる湯「霧積温泉 金湯館」の入浴レポートです。
最終更新日 | 2015/10/21 | 訪問日 | 2015/10月中旬 |
【霧積温泉 金湯館】基本情報
きりづみおんせん きんとうかん
住所:〒379-0307 群馬県安中市松井田町坂本1928
TEL:027-395-3851
公式サイト
⇒「霧積温泉 金湯館」へのアクセス詳細&宿泊予約はこちらのページへ
【宿泊料金】
1泊2食付 旧館10,580円~ 別館12,960円~ お一人様〇 素泊まり× 湯治対応△ 自炊×
口コミ評価:Google 4.5点/5.0点
【こんな人におススメ】
◆山奥の一軒宿に泊まりたい
◆硫黄臭のするぬる湯が好き
◆小説「人間の証明」のファン
◆鼻曲山登山基地に
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【日帰り入浴】
営業時間:10:00頃~日没前
料金:大人700円
個室休憩付入浴1,500円(3時間まで/要予約)
昼食対応可(そば・うどん・丼物等)
【小説・映画「人間の証明」の舞台にもなった関東きっての秘湯!霧積温泉 金湯館】
「霧積温泉 金湯館」は、群馬県と長野県(軽井沢)の県境近くにある山奥の一軒宿です。
宿泊では麓からの送迎がありますが、日帰りの場合には登り30分の山道を歩いて行かなければならない群馬屈指の秘湯です。
年配の方ならば、小説「人間の証明」(森村誠一原作)の一説でご存知の方も多いと思います。
「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね。」
松田優作主演 映画「人間の証明」
そんな霧積温泉ですが、明治末期までは40軒以上の宿が軒を連ねる賑やかな温泉街だったそうです。
それが、大洪水による水害で「金湯館」を除いて全て流されてしまい、現在では「鼻曲山」に向かう登山客がメインのひっそりした温泉になっています。
「金湯館」は「日本秘湯を守る会」の会員宿だったので、ずっと気になってはいたのですが、ぬる湯と聞いて、季節を選んで泊まろうかと思っているうちに数年が経ってしまいました。
今回は日帰り入浴での訪問です。
公式サイトには日帰り入浴の営業時間が記載されていなかったため、電話をしてみると、「陽が出ているうちです。」というざっくりとした回答でした(笑)。
山道を上り下りしなければならないので、歩いて帰れるうちにお越しくださいということのようです。
国道18号線に入るといたるところに看板が出ているので、迷うことはないと思います。
【霧積温泉「金湯館」に向かう道のり】
「金湯館」は温泉も素晴らしいのですが、道中も含めて語られることが多いので、「金湯館」に向かう道のりから始めたいと思います^^
県道58号線に入ると紅葉が綺麗でした。
でも、ほどなくして対面通行不可の細道が続きます。
山道を徒歩30分登らなければならない事と同じくらい、この8キロほどの道のりも厳しかったです。
米沢の山奥にある姥湯温泉を思い出してしまいました。
20~30mおきに路肩がある以外、乗用車一台分の道幅。
幸い対向車はなく、途中には猿軍団が出没するほど人気のない通りでした。
そして、ビックリマークの標識!
これに思わずギョッとしてしまいました。
ガードレールの下が溪谷なので、景色に見とれると危ないという意味もあろうかと思いますが、それよりも先に迷宮入りした事件を思い出してしまいました。南無南無。
県道に入ってから8キロほど進むと、右側に通行禁止のバーがある道の入口が見えてきました。
「金湯館」専用の車両入口で、宿泊客はここから宿の前まで送迎があります。
日帰り客はこの150m先にある、
閉館してしまった「きりづみ館」の駐車場から歩かなければなりません(ー_ー)!!
その150m先には水車があり、宿泊客はここにある電話で送迎をお願いします。
「きりづみ館」の方は水車小屋以外、跡形もなく更地になっていました。
(「きりづみ館」は2012年に閉館)
駐車場には8台ほど停車していました(ほとんどが「鼻曲山」の登山客)。
その奥にある黄色い看板が「金湯館」に向かう登山道です。
「ホイホイ坂」と呼ばれる登山道。約1キロ、普通のペースで30分かかります。
到着時は小雨が降っていたので、リュックに長靴と傘で向かいました。
人気がなく、いかにもクマが出そうな雰囲気だったので、一応熊鈴を3つ用意(^_^)
*後で女将さんに聞いたら、宿に向かう途中で熊が出たことはないそうです。
ほどなくしてケモノ道のような細い山道に入り、12~3分は結構キツイ上り坂です。
その後5分はやや平坦な上り坂。
入口から20分で一般車両通行禁止の車道に出ました。
ここから宿の入口まであと7~8分です。
右の写真は「鼻曲山」の登山道入り口。
車道に出ると、奥の行き止まりに宿の車が停まっており、宿泊の場合はここまで送迎があります。
ここから先は車も通れない細道のため、送迎ありでも200mほど山道を降りて歩く必要があります。
車道から下りてくると「金湯館」の建物が見えました。
山の谷間に建つ一軒宿です。
車が入れないのにどうやって建物を建てたのだろう・・・
と思っていたら、
宿の方はエンジン付きのリアカーのような車で資材等を運んでいました。
水車と奥には「ゆ」と書いてある湯小屋が見えます。
「金湯館」の入口に到着。
麓からは、写真を撮りながら、トボトボ歩いて35分かかりました。
橋を渡ると玄関です。
本館は山小屋の雰囲気ですね。
玄関から見て右奥にある新館の方は今どきの立派な旅館でした。
玄関に入って左が帳場。
宿のプードルが怪しい人が来たとずっと吠えていました(^_^;)
奥には柴犬(ミックスかな)もいました。
【霧積温泉 金湯館 男女別大浴場】
「霧積温泉 金湯館」のお風呂は、男女別の内湯が1つずつあるだけです。
お風呂は帳場の左手のドアから通路を降りた一番奥。
お風呂「ば」のひらがながツボに入ります^^
女湯は手前。男湯は一番奥。
入口横には洗面台があり、お湯の蛇口からは源泉が出てきました。
脱衣所は3畳ほどの広さ。
脱衣棚と籠、洗面台はなく鏡の前に棚があり、底にドライヤーが置いてありました。
ドアを開けると6畳ほどの広さの浴室にシンプルなタイル張りの浴槽が一つだけ。
5~7人サイズの大きさです。
源泉は38.9度とぬるめですが、窓のない浴室は湯気でモクモク、たまご臭が漂っていました。
浴槽内の温度は2~3度下がっているのだろうかと思いきや、
浴室が密閉されているせいもあってか、源泉温度とあまり変わりませんでした(外気は15度)。
秋口には寒くて上がれないくらいのぬる湯かと思っていたら、これは意外。
お客さんは他に誰もいなかったので、1時間ほどゆっくり浸かりました。
入浴中の目線。
オーバーフローも多く、湯量が豊富なようです。
壁際にはカラン3台。使用した左の1台は源泉を使用していました。
奥にある湯口。
コップが置いてあるので飲んでみましたが、
泉質的には長野県の上田市周辺にある別所温泉や有乳湯にたまご臭を上乗せした感じです。
うす塩×たまご味でとても飲みやすいです!
ペットボトルに汲んで帰りました♪
こちらは男湯。形は違えど、大きさは同じくらいですかね。
30分かけて歩いて来て、内湯だけなのかよ!と思ってしまいそうですが、
長居できるちょうどよいヌル湯で、たまご臭もして、泉質はとてもいいです。
お風呂の紹介は以上です。
【霧積温泉 金湯館 館内&庭】
続いて館内~庭を散策。
トイレは温熱便座でした。
浴室ある廊下の外に出ると「岩清水」の看板。
こちらも水量豊富でかけ流しです。
庭には水車と池。
食事用の岩魚かなと思ったら、ティラピアでした!
(冷凍の白身魚のフライなどに使われている魚)
帳場の前のお土産コーナーには、ネーム入りフェイスタオル&バスタオル、
群馬の秘湯の本、日本秘湯を守る会の本、おつまみのお菓子が売っていました。
行こうと思っているうちに、「日本秘湯を守る会」を退会してしまったのですね。
その1年前頃に「きりづみ館」も閉館してしまったのでした。
そしてもちろん、「人間の証明」の原作本も。
「人間の証明」は映画の再放送をテレビで1度見ただけで、
その時はジョニーが可愛そう、母親は鬼だなぁ~と言う印象しか残ってませんでした。
松田優作が出ていたことも記憶の彼方でしたが、今見てみると俳優陣がものすごく豪華です!
霧積温泉旅館の従業員も劇中には出てくるんですよね。
(ロケ自体は長野県の小谷温泉)
「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね 。」
「ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」
劇中にもテーマソングにも出てくるこのセリフ。
元ネタは、森村誠一が学生時代に「金湯館」に宿泊し、「鼻曲山」に登って昼食の際、宿でもらったおにぎりを開けた時に包み紙に書かれていた西条八十の「帽子」という詩なのだそうです。
実際に霧積温泉に行ってみてもう一度映画を見直してみたくなりました。
こちらは玄関にあった「金湯館」に来館した著名人。
勝海舟、尾崎行雄、与謝野晶子夫妻、幸田露伴、岡倉天心・・・
幕末から明治にかけて有名な温泉地であったことを物語っていますね。
与謝野夫妻は東北から九州まで、方々の温泉旅館で名前を眼にします。
勝海舟の書
こちらはドリンクと夕食の別注メニュー。
日帰りでは昼食も食べることができます。
山菜定食 2,000円
山菜そば(うどん) 800円
冷やしそば(うどん) 700円
丼物 1,000円
(休憩室利用は1,500円/3時間まで 繁忙期休み 要予約)
帰りは車道を歩いて下りました。
途中に見えてきた絶景スポット
紅葉が綺麗でした。
宿の送迎車とすれ違い、運転手さんは「あれっ?」という顔で一瞬止まりましたが、
そのまま歩いて行きました。
下り40分ほどかかったので、登山道の倍近くかかりますね。
足元が悪い日はこちらの車道から行くのもアリかもしれません。
【霧積温泉 金湯館 日帰り入浴 温泉の感想】
車で運転していてもヒヤヒヤする細道に、ほぼ登山道の山道を30分かけてようやくたどり着いた温泉は期待を裏切らない居心地の良いぬる湯でした。
蛇口からは温泉か湧水という贅沢な自然環境。
山小屋のような素朴な本館にアットホームな接客。
関東にありながら世俗を忘れられる特別な宿でした。
山の上り下りと入浴だけでも楽しかったですが、宿泊してゆっくり滞在してこその宿だと思います。
泉質 ★★★★4.3
お風呂の雰囲気 ★★★3.5
清潔感 ★★★3.8
接客サービス★★★★4.2
【霧積温泉 金湯館 日帰り入浴 温泉情報】
◆お風呂
男女別大浴場(内湯のみ)各1
◆源泉 H20.11月の分析書
「霧積温泉 入之湯」泉温38.9度 湧出量300L/分(自然湧出)
泉質:カルシウム-硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性温泉)pH8.2?
溶存物質計1,788.9mg/kg
態様:源泉かけ流し、加水・加温なし、塩素消毒なし
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
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