青森県八甲田山麓にある自炊湯治もできる宿「酸ヶ湯温泉旅館」の宿泊レポートです。
お宿の基本情報はページの下部にあります。
【こんな人におススメ】
◆山の中の一軒宿に泊まりたい
◆自炊湯治のできる宿が良い
◆東北らしい風情のある宿が好き
酸ヶ湯温泉旅館の口コミ評価:Google4.3点/5.0点
最終更新日:2022/11/6
訪問日:2021/5、2018/8、2015/4、2014/4
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【日帰り入浴】
営業時間:7:00~17:30受付(18:00退館)
料金
内湯・千人風呂共通券 大人1,000円 小人500円
内湯又は千人風呂のみ 大人600円 小人600円
休憩所利用 8:00~15:00
食事処 立ち食いそば・鬼面庵 9:00~16:15L.O.(16:30閉店)
1日5組限定日帰り湯治プランあり
【八甲田山麓 標高900mにある一軒宿 酸ヶ湯温泉旅館 一人旅 お部屋編】
「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」は、青森市内から南へ車で1時間、八甲田山麓にある一軒宿です。
秘湯のイメージが強い宿ですが、夏は登山、冬はスキー、スノボー客で1年中賑わっていて、客室数130以上もある超大型旅館です。
~4月下旬の八甲田ロープウェイ山頂駅~
まだ行ったことがない人でも、冬になると真っ先に「酸ヶ湯の積雪量は・・・」とニュースで聞いたことがあるかもしれません。
日本有数の豪雪地帯にあり、寒い季節に湯気の立つ広い湯舟で乳白色の硫黄泉に浸かることができる宿です。
「酸ヶ湯温泉」の歴史は古く、江戸時代・貞享元年(1684年)まで遡ります。
猟師が仕留めた鹿を追って行ったところ、姿が消え、数日したら元気に走り回っているのを見て、何かあるのかと探索した先に温泉が湧いていたというのが開湯の歴史になります。
酸性の酸っぱい温泉ということで「酸ヶ湯」の語源になったと言われていますが、初めてでは一読できないですよね。10年前にブログを始めた頃には「さんがゆ」だと思っていましたw
「鹿の湯」が津軽なまりで「酸ヶ湯(すかゆ)」と読むのが定着したという説があるそうです。
「酸ヶ湯温泉旅館」へは、宿泊で2回、日帰りで3~4回訪問しています。
1度目は家族と旅館部に、2度目は湯治部に一人で宿泊しました。
青森市内から国道103号線を酸ヶ湯・八甲田方面に向かうと、GWくらいまでは雪の回廊ができています(2014年)。
「酸ヶ湯温泉旅館」に到着。
大きく分けて3つの建物に分かれていますが、中央がフロントと旅館部、右は食事処、左が湯治棟になっています。
宿泊施設は旅館棟と湯治棟に分かれていて、湯治棟の方には自炊設備もあります。
以前は湯治部屋は格安だったのですが、近年、一人旅や外国人の需要に合わせてトイレ付きの洋間にリニューアルされたことに伴い、お値段も上がっています。
旅館部の方はトイレあり、冷蔵庫あり、ベッドルームにリニューアルされた1号館と、昔ながらのトイレなしの広い和室7号館があります。
駐車場の片隅には「辰五郎清水」。
食事の時にも「八甲田の清水」という冷水が置いてあります。
湯治棟の奥は八甲田山の登山口になっています。
今はロープウェイで一気に山頂近く(2,459m)まで行けますが、帰りはスキーで降りてくる人も見たことがあります。
5月下旬くらいまでは山岳スキーもできるようです。
正面玄関
酸ヶ湯の看板を見るとなぜかテンションが上がります。
玄関に入ると日帰り入浴用の券売機と
「混浴を守る会」の入会案内
2022年はおそらく会員数2万人を超えていると思われます。
名物の「ヒバ千人風呂」は年々、男女を仕切る衝立が高くなってきている気がしますが、今はギリギリのところで混浴を守っている状態です。
館内に入ると登山客やスキー客でごった返しているロビー(2014年)
静かすぎて驚いた2021年(東京が緊急事態宣言に入ってすぐ)。
でも、全国旅行支援割が始まってまた活気が戻って来たそうです。
「千人風呂」を表現したJRの名ポスター
フロント前には顔はめパネル(2018年にはすでにありました)。
正面突き当りにはミニねぶたの展示
その片隅に「木霊清水」
通路の右側にはあの「千人ヒバ風呂」があります。
旅館部はこの2階になっています。
今回宿泊した湯治部は通路の左奥なる3号館です。
この先には手もみ処、温泉療養相談所、スナック「ぶな林」、会議室等があります。
2014年に来た時にはこの先がいかにも鄙びた東北の湯治場という雰囲気だったのですが、2016年頃からリフォームが始まったようで、廊下や壁も全面張替えられていました。
湯治棟に向かう廊下の左側には「玉の湯」(男湯)
2014年は左側にあった「手もみ処」が右に移動
前は何の部屋だったのか記憶にないですが、湯上り処(サロン)ができました。
窓からは川と7号館が見えます。
カフェになっていたらよかったのですが、残念ながら飲み物禁止です。
看護師の資格を持つ人が常駐する温泉療養相談室も健在です。
酸ヶ湯温泉は環境省指定「国民保養温泉地」の第1号ですが、ヨーロッパの温泉番組を見ていて日本でも有名温泉地で有資格者が処方箋を出して保険適用になる日が来ればいいのにと思います。環境省と厚労省で管轄が違うところがリンクしない理由なんでしょうか。
【湯治棟の建物】
湯治棟の見取り図です。
長い廊下の途中で「3号館」と書かれた角を左に曲がると今回の客室です。
2階にも部屋がありますが、木造建築のため上階の人次第でものすごく音が響くらしいですが、今回は全館で10組もいなかったのでとても静かでした。
気になる方は耳栓持参で^^
浴衣は自分のサイズをセルフで持ち出し。
向かいには炊事場とランドリーがあります。紹介はのちほど。
【自炊棟3号館1階 6畳間トイレ洗面台付】
2021年のお部屋は廊下の中ほどにありました。
3号館は2016年にフルリフォームされたようで、こちらの客室はトイレ洗面台付きです。
直電予約で、平日1泊2食付 1名利用 13,750円(消費税込み)、入湯税別途150円でした。
以前の記憶では湯治棟は7~8,000円台だったと思ったので、ずいぶん値上がりしたなと思いましたが、旅館棟のトイレ無より快適だと思います。
参考までに、湯治部屋+旅館食のプランの場合、
3号館トイレあり6畳和室 2名名利用13,200円~
3号館トイレなし6畳和室 2名利用9,350円~/人、1名利用10,450円~
となっています。
入口から見た客室
畳も壁紙もすべて新しく、6畳でも圧迫感がないので一人ならば十分な広さ。
壁側にヒーターはありますが、夏はエアコンも扇風機もないようです。
小さなテーブルがあるので、PC作業もできます。
携帯の電波は各社◎、Wi-Fiも飛んでいます。
布団はセルフで。
数年前から全館禁煙になっているので、カラオケスナック横の喫煙室か外に灰皿があったと思います。
ちゃぶ台の前にはテレビと電話、横の押し入れは布団用
奥から
入口の左のドアはトイレと洗面台。
自炊食材も十分入る大きさの冷蔵庫、電気ポットがあります。
クローゼットの中はなぜかタオルセット2組、丹前2枚
下には金庫
ヘアブラシと歯ブラシは1組
お茶セットにお茶請けは山塩羊羹
洗面台とウォシュレットトイレ。
洗面台にはコンセントがあるも、ドライヤーは部屋になかったので、利用する場合は内湯の「玉の湯」で。
3号館の共用トイレは廊下に1か所しかなかったので、部屋についているのはとても便利です。
お布団を敷いたところ。
敷布団は1枚ですが、掛布団が羽根布団だったのがうれしい♪
酸ヶ湯温泉では湯治会員というのがあり、平日3泊以上で安く泊まれる湯治プランがあります。
こちらのチラシは2021年のものなので料金が変更になっている可能性があります。
湯治棟の決まり事
貸出品等
【旅館棟の客室】
旅館棟の部屋はどんな感じなのか参考までに2014年の7号館をご紹介します。
酸ヶ湯温泉旅館全体の見取り図
2014年はまだ湯めぐりを初めて半年足らずで、車中泊しながら何日かかかろうともいつか行きたいと思っていた酸ヶ湯温泉ですが、角館のしだれ桜を見に行きたいと言い出した父の気まぐれで実現することになりました\(^o^)/ と、興奮気味。
→参考記事:3泊4日北東北の温泉を巡る旅
7号館はフロントのある建物の2階にあります。
7号館2階の見取り図
今回は711号室で一番広い部屋でした。
2階の廊下は歩くとギシギシ音が鳴ります。
夜9時過ぎには防音のじゅうたんが敷かれ、朝には撤去されているのを見て、古い旅館を維持するのは大変だなぁと。
音がすると気になって眠れないという方は、耳栓を持参して自衛した方が良いです。
津軽弁で「お静かに」と書いてあるのが日本語に見えない^^
【7号館2階 和室10畳 洗面・トイレ共同、冷蔵庫なし】
10畳和室+広縁でトイレは共同。3名利用で1人あたり11,500円くらいだったと思います。
直前予約で残っていたのがここだけでした。
2022年現在の価格は、
7号館6畳間 2食付 2名利用 12,650円~ 1名利用14,850円~
7号館8畳間 2食付 2名利用 12,650円~ 1名プランなし
スタッフは半そでのTシャツを着ていますが、4月下旬でもストーブなしでは寒いくらいでした。
浴衣は最初から用意されていました。
アメニティは歯ブラシ、ヘアコーム、かみそり
お茶請けは味噌まんじゅう。
共用トイレまでは10mくらい。中はウォシュレットです。
トイレも一晩中ヒーターがついていて、寒冷地らしい気配りがあるなぁと感心しました(北関東の北部は寒いのにこういうのはほとんどないので)。
【意匠が素敵なレトロな客室 旅館棟イ】
口コミで見かけたことはないですが、個人的には一番湯治場らしい部屋だと思うのが旅館棟の「イ」の部屋です(画像は近畿日本ツーリスト)。
トイレは共同ですが、7号館に比べて意匠が凝っていてレトロな雰囲気があります。
フロントからは一番遠い、女性用「玉の湯」がある建物の1階、2階にあります。
イ棟1階6畳 2食付 2名利用 13,750円~、1名利用 15,950円~
イ棟1階8畳 2食付 2名利用 13,750円~、1名利用 17,050円~
イ棟2階8畳 2食付 2名利用 14,850円~、1名利用 17,600円~
【酸ヶ湯温泉旅館で唯一のベッドルーム1号館】
近年リニューアルされた1号館はベッドの部屋になりました(画像はじゃらん)
トイレ、冷蔵庫付で一番豪華な客室です。
2食付 2名利用 19,250円~、1名利用 24,200円~
料理は多少グレードアップされるものの、口コミを見ていると全体的なレベルは姉妹間の「八甲田ホテル」には及ばないようなので、期待しすぎるのは禁物かなと思います。とはいえ、ヒバ千人風呂を一晩中入浴できるというのは最大のメリットですね。
お部屋の紹介は以上です。
【湯治棟の共用スペース】
続いて湯治棟の共用スペースへ。
こちらは共用の洗面台
共用トイレの中は見ていませんがウォシュレットのはずです。
炊事場
流しの方は昔ながらのスタイルで、ステンレスの冷やし槽があります。
床と壁紙をリフォームした以外は以前のままでした。
今回はお客さんも少なかったので、自炊する人はいませんでしたが、前回おばあさんがご飯を作っているのを見て、次は湯治部屋に泊まりたいなぁと思ったのでした。
電子レンジと家庭用のガスコンロ、下にはやかん。
今まで見た湯治場のキッチンの中では一番きれいでした。
設備は2014年に行った時から変わっていません。
自炊用の鍋や食器は通路にあります。
炊飯器は置いていないですが、貸し出しもしていませんと書いてありました。
鍋で炊くか(コンロを占拠するのは気が引けそう)、炊くのが面倒であれば、売店でおにぎりを買うか、レトルトのご飯は売っています。
炊事場に調味料は置いていませんが、一般的なメーカーのものは売店にあります。
生鮮食料品はないので、青森市内のスーパーか、送迎バスを利用するならば乗り場に近い「アウガ市場」で調達するのが良いと思います。
ガス代の奥には洗濯機と乾燥機
男湯「玉の湯」の奥にカラオケスナックがありますが、その辺に喫煙スペースがありました。
灰皿があるだけで換気は良くなさそう。
湯治棟をそのまま奥に進むとアートギャラリー「神舞閣」があります。
【酸ヶ湯温泉旅館の売店】
お土産店は玄関の右側にあります。
営業時間:8:00~17:00
酸ヶ湯温泉のメインのお風呂は混浴なので、持っていない方は湯あみ着を買うと便利です(2022年は1,300円に値上げされたらしいです)。
1度しか使わないという方はバスタオル持参でもいいと思いますが、東北の温泉巡りをしていると意外と混浴で使うことは多いので持っていて損はないと思います。30回以上洗ってもまだ使えました。
楽天市場でも買えます⇒露天風呂専用 女性のための 温泉着(湯浴み着)カラー(グレー) ※送料無料(メール便不可)の商品と同梱出来ます。【温泉】【混浴】 9月より値上げとなりました。
売店では青森県内の地酒は殆ど揃います。
銘菓、青森産のお米、ニンニク製品等食べ物系も色々
オリジナル温泉の素や温泉水が入った石鹸
(硫黄成分は含まれていないので、自宅の追い炊き風呂でもOK)
タオルから文房具、湯呑み等、ロゴ入りグッズも充実
これ、美味しかったです^^
【酸ヶ湯温泉旅館の動画】
PCの方は動画の下部にあるバーにカーソルを合わせるとチャプターのタイトルが表示されます。
スマホの方はYouTubeアプリを立ち上げるとコメント欄に動画のチャプターが表示されますので、お好きなところから再生できます。
【酸ヶ湯温泉旅館 お部屋の感想】
日帰りでは何度か訪問しているものの客室の中までは見る機会がないので、今回リフォームされた湯治棟を見たら綺麗すぎて腰を抜かしそうになりました。
値段はその分アップしましたが、便利さもアップして、若い人には使い勝手が良くなったと思います。
次は、トイレが共同で不便であっても、一度は「旅館部イ」の部屋に泊まってみたいなあと思っています。
酸ヶ湯温泉は山の中にありますが、周りに何もない分、設備や売店、飲食店(蕎麦と喫茶)が充実しています。
携帯の電波も各社バッチリ入るし、Wi-FiもOKです。
自然に囲まれた環境であり、お風呂の雰囲気はまさに秘湯ですが、施設自体は巨大な観光ホテルなので、その辺りは好みがあるかもしれません。
(私は住みたいと思うほど好きですが)
接客サービスに関してはコロナ前と後で印象が違いました。
2014年に宿泊した際は、秘湯のイメージとは違う大型ホテル並みのサービスでしたが、コロナ禍では人手が足りず最小限という印象でした。
でも、特に不便を感じることはなかったです。
今回はビックリするくらい人がいなくて、ヒバ千人風呂もしばらく貸切状態だったのを体験できたのが、もう二度と来ないであろう思い出になりました。
部屋の広さ ★★★ 4.0(湯治棟3号 3.8、旅館棟7号 4.2)
設備 ★★★★ 4.0
アメニティ ★★★ 3.6
宿の雰囲気 ★★★★★ 4.5
清潔感 ★★★★ 4.4
接客サービス ★★★★ 4.0
”お出かけの際には「秘湯宿.com」を見て来たと言っていただけると幸いです♪””
【酸ヶ湯温泉 酸ヶ湯温泉旅館】基本情報
すかゆおんせん すかゆおんせんりょかん
住所:〒030-0111 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸ケ湯沢50
TEL:017-738-6400
公式サイト
【宿泊料金】
1泊2食付 9,350円~26,345円 お一人様〇 素泊まり〇 自炊〇 湯治〇
(湯治会員になると平日3泊以上で割引あり)
(1泊夕食付5,500円~、1泊朝食付4,500円~、素泊まり3,000円~8,000円※要確認)
【酸ヶ湯温泉旅館 宿情報】
チェックイン/チェックアウト 15:00~ / ~10:00
クレジットカード 現地〇 事前〇
携帯電話送受信◎ Wi-Fi〇
エレベーター× バリアフリー×
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
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◆青森市 青森リンゴパイ「Sweets Factory Pam Pam」
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