長野県南牧村の八ヶ岳連峰硫黄岳の中腹・標高2,150mにある雲上の湯「本沢温泉」の宿泊レポートです。
最終更新日 | 2020/7/4 | 訪問日 | 2017/8月中旬 |
【八ヶ岳 湯元 本沢温泉】基本情報
やつがたけ ゆもと ほんざわおんせん
住所:〒384-1301 長野県南佐久郡南牧村海尻 国定公園内
TEL:090-3140-7312(現地衛星電話) TEL:0266-72-3260(麓事務所)
公式サイト・日本秘湯を守る会宿紹介ページ
通年営業です
*コロナ収束まで完全予約制、個室のみ営業中です(2021/7)
【宿泊料金】
1泊2食付 10,000円~12,000円 お一人様〇 湯治× 素泊まり〇 自炊〇(道具は持参)
素泊まり 相部屋7,000円~(冬期は暖房費別途500円)
口コミ評価:Google4.1点/5.0点
【こんな人におススメ】
◆歩いてしか行けない秘湯の温泉に行ってみたい
◆天狗岳~硫黄岳~赤岳と八ヶ岳を縦走したい
◆キャンプをしながら温泉に入りたい
◆日ごろの運動不足を解消したい
[スポンサーリンク]
【日帰り入浴】2021.7現在
営業時間:日の出~日没前
料金:露天風呂1,000円 内湯1,000円
*内湯は宿泊者優先、繁忙期はお断りされる場合あり
*悪天候時・冬期は入浴できない場合あり、要問合せ
【本沢温泉キャンプ場】
1人1泊1,000円 温泉別料金(宿泊は予約不要)
平日に限り本沢食堂にて食事提供可(夕食2,000円 朝食1,000円)*要予約
【実は泉質も素晴らしい山小屋 本沢温泉 宿泊レポ 夏編】
「本沢温泉」は、八ヶ岳連峰・硫黄岳の中腹、標高2,150mにある温泉付の山小屋です。
通年営業で入浴できる加温なしの露天風呂のある宿としては標高日本一です!
(加温ありも含めると赤沢鉱泉が日本一、期間限定営業も含めると立山の「みくりが池温泉」が日本一の高所、とややこしい^^)
「本沢温泉」は、「日本秘湯を守る会」の会員です。
徒歩でしか行けない会員宿の中では、九州の「法華院山荘」に次ぐ距離を歩きますが、道中は比較的平たんな道のりなので、無雪期かつ大雨の後でなければ登山初心者でも問題なくたどりつけます。
といっても、温泉だけを目当てに宿泊する人はごく少数で、ほとんどは八ヶ岳縦走の前泊・後泊に利用する登山者がメインの山小屋で、スタンプ帳を持っている人は2組だけでした。
今回は、日ごろの運動不足を解消するため、ちょっと歩いてみようかということで親子2人で宿泊してきました。
【目次】
- 本沢温泉入口~ゲート前4WD駐車場までの道のり
- ゲートから本沢温泉までの登山
- 本沢温泉 お部屋編(新館個室)
- 本沢温泉 お食事編(夕食・朝食・お弁当)
- 本沢温泉 雲上の野天風呂(白濁硫黄泉)
- 本沢温泉 内湯(赤湯)
- 本沢温泉 宿泊の感想
でお送りします。
【本沢温泉入口~ゲート前4WD駐車場までの道のり】
本沢温泉へはいずれにしろ歩かなければ辿りつけないのですが、最短ルートは、本沢温泉入口の駐車場から2キロほど登ったゲート前にある四輪駆動専用の駐車場から徒歩になります(上り1時間15分、下り1時間弱)。
四輪駆動専用駐車場のスペースは8台分しかありませんが、紅葉シーズンの週末でもない限り満車になることは少ないようです。
でも、4WD車でも運転に自信がない、又は愛車を傷つけたくないという方も多いでしょうから、本沢温泉入口から歩くのが一般的です(上り2時間ちょっと、下り1時間40分)。
本沢温泉入口までは小海駅からもタクシーで乗り入れでき、駐車場も20台分くらいあり広めです。
冬期はゲート前まで車では行けないため、本沢温泉入口から歩くしかありません。
本沢温泉入口とゲート前駐車場の間には天狗岳展望台駐車場もあり、ここまでは普通車でもなんとかたどり着けます。
なお、本沢温泉入口から先にはトイレもないので、途中のコンビニかガソリンスタンドで済ませておくのが良いでしょう。
松原湖より少し手前の佐久穂町の国道沿いに最後のガソリンスタンドがありました。
今回のルートはと言うと、足慣らしと温泉が目的だったため、最短ルートのゲート前からスタートしました。
車のナビでは「本沢温泉入口」が表示されなかったため、途中の「稲子湯旅館」にセットしました。
スマホのグーグルナビでも「本沢温泉入口」は出ませんでした(^_^;)
ちなみに、本沢温泉入口までは、上信越道「佐久IC」を出て道なりに進み、まだ全線開通していない中部横断道「佐久南IC」(無料区間)に出ます。
そこから国道141号線を通り、佐久市内~佐久穂町を過ぎて松原湖のわき道を奥に入って行きます。
道なりに進むと正面には「稲子湯」に向かう細道。「本沢温泉」の看板が出ている左に進みます。
「稲子湯」までは駅から町営バスが出ているので、ここから車道又はみどり池経由で歩く人もいるようです。
「稲子湯」の登山者用駐車場は300円です。
「稲子湯」の分岐から5分足らずで「本沢温泉」の看板がたくさん出てきます。ここが「本沢温泉入口」です。
一般車はこの看板のある道沿いの駐車場に停めます。駐車料金は無料。
本沢温泉と関連山小屋までのざっくりとした地図
入口脇には開湯130年を記念して建てられた石碑がありました。
一般車両駐車場からは本沢温泉までゆっくり2時間30分、ゲートまでは1時間とあります。
ということは、最終のゲート前駐車場からはゆっくり1時間30分ということになります。
本沢温泉の公式サイトではゲートから1時間と書いてありましたが、写真も撮らず休憩もなし、しかも相当早歩きでないと1時間は無理でしょう^^と思いました。
帰りの方が下りが多いのに、小走りで53分かかりました。
本沢温泉入口~ゲート前駐車場~本沢温泉までのルート地図
今回は車高のある4WD車出来たので、2キロ先のゲート前駐車場まで車で進みました。
この林道は普通車1台分通れる幅員があり、砂利道とはいえ途中まで大きなデコボコもなく、普通車でも行けそうでした。
ゲートに向かう途中に少し開けた場所が出てきたと思ったら、「天狗展望台駐車場」でした。
ここまではFF車又は車高の低い4WDでも何とか大丈夫そうです。
右手には空地。4台くらいは駐車できそうです。
展望台がどこにあるのかは不明・・・。
しかしここから先は4WD以外は注意書きにもある通り、4WDはもちろん、車高の低い車ではお腹を擦りそうな急カーブと急坂に入りました。
ごくわずかな区間でしたが、1速で走りつつも3~4回スリップしては後ずさりを繰り返し、かなりヒヤヒヤしました。
天狗展望駐車場からゲートまでは徒歩20分ですが、このあたりが道中で一番の急坂だと思います。
そして帰り道には不測の事態が。
すれ違えるような広い場所はいつ通ったか?というくらい後戻りもできないような場所で大型4WDの対向車が・・・。
こちらは崖ギリギリに幅寄せし、相手の方が超絶技巧で切り抜けてくれましたが、車体の隙間が10センチ未満しかありませんでした(@_@;)
どちらかに同乗者がいれば誘導できますが、運転手が1人ずつだと乗ったり下りたりでなかなか進まないでしょうね。
一般の山道のように20~30mおきにすれ違えるような退避場所があるわけではなく、あったとしてもすべる坂道をバックで戻るにはかなりの運転技術を要します。
というわけで、4WDでなければダメだと伊達に注意書きが出ているわけではないのですね^^
できれば、4WDでも小型車の方が良いかと思います。
難所を通り過ぎてゲート前に到着。
午後1時過ぎで先客は1台だけ。後は歩いてテント場に向かう人が数名いただけでした。
途中、軽装のカップルが下りてきたので、日帰り温泉にだけ行って来たのかもしれません。
手前左奥にも駐車スペースがありましたが、こちらはスタッフ専用。
重機や積荷用のキャタピラ車が置いてあるゲート前。
ゲートはロックされていて手で上げることはできません。一応試してみた^^
オフロードバイクもここまで。
ここから先は健脚1時間、普通に1時間15分、ゆっくり1時間30分、写真を撮りながらだともっと・・・の道のりとなります。
車の排気ガスに反応したのか、上ではいなかった大きなアブがブンブン飛んでいました。
【ゲートから本沢温泉までの登山】
車の中で登山装備に着替えて出発。
8月中旬の曇り日で気温は20度前後。上まで半袖でも寒くありませんでした。
所持品は小さ目のリュック、ストック、レインウェア、ヘッドランプ、タオル、湯浴み着(混浴用)、飲料水、非常用のお菓子等。
登山時計が正しければ、ゲート付近の標高は1,817mだったので、標高差は300mちょっと。
ゲートから先は20分くらい緩やかな上り坂~ややきつい登り坂が続き、少し下ってまた緩やかな上り坂になって、水場が出てくると本沢温泉までもう少しとなります。
1か所小さな沢をまたぐ場所がありますが、無雪期は大雨の後でもなければ、ぬかるみもなくハイキングコースのような道になっています。
ゲートから20分くらい上りが続くとベンチがありました。
富士見平と書かれているからには富士山が見えるのでしょう。
でも、ガスが巻いていて富士山は見えず。
しばらくは下界の景色が見えない林道の上りが続きます。
今度は「野辺山高原と秩父連山を望む」という看板が出てきましたが、またガスで見えず。
1つ目の橋。ゲートから半分くらいか。
橋は3つあって、この先は下り坂が続きます。
「タナ橋 本沢マデ4~50分」
橋を渡ると視界が開けてきました。
しばらくすると地図が。
「湯川渓谷と硫黄岳2,765m 頑張って本沢♨へ 現在地40~35分」
松原湖とみどり池の分岐点
「稲子湯」から歩いてくる場合はここで合流するようです。
本沢♨へ10分
道端に沢水が増えて来て何となく人の気配が感じられるように。
水辺にある「本沢温泉クリン草園 あと5分」 脇には水芭蕉も。
要煮沸(need boil)と書かれた水場に出ました。
水場のすぐ上が本沢温泉のテント場です。
登山の人と夏休み中の子連れファミリーがいました。
テント場の料金は1人600円。温泉利用は別途日帰り料金が必要。
トイレは本沢温泉の売店横に100円の有料トイレがあります(中は見ていないけれどあまり綺麗ではないらしい)。
飲用水は本沢温泉の小屋前にもあります。
本沢温泉まで5分くらい歩くので、移動はちょっと面倒ですね。
小さな川を渡れば最後の登り。
到着♪
山小屋とは名乗らず、あくまで「秘湯」というのが良いです(^^♪
本沢温泉の外観
正面奥が玄関、玄関の2階に本館の客室、左の建物が乾燥室や談話室、右の建物が新館客室です。
眼下には冬期専用の内湯「石楠花の湯」(男女交代制)
入口手前右には日帰り用の休憩室。
入口左側には日帰り入浴の受付、売店と水飲み場。
左奥には日帰り用(テント泊用)の有料トイレ、その先に雲上の湯と夏沢峠に向かう道があります。
そうえいば、館内は全館禁煙で外にも灰皿はなく、喫煙している人も見かけませんでした。
玄関
本沢温泉グループは他にも「山びこ荘」(夏沢峠)、「赤岳頂上山頂」、「キレット小屋」(権現岳と赤岳の間)も経営しています。
「山びこ小屋」では初夏になると住み着いたモモンガとヤマネに会えます。
本沢温泉グループの山小屋の配置図
夕方にはゲート前に停めてあったキャタピラ車で物資が届いていました。
【本沢温泉 お部屋編(新館個室)】
玄関に入ると正面に売店、奥に帳場。チェックインは16:00まで。
秘湯の会のスタンプ帳はチェックインの時に渡すと夕食時に返却されました。
若いスタッフが多く、山小屋のご主人はみかけませんでした。
売店ではペットボトルの飲料水(300円)、スナック菓子(柿ピー小袋100円、その他300円)、カップ麺(値段不明)に、ネーム入りタオル(300円)、てぬぐい(700円~)、Tシャツ(2,500円)、バッジなどの記念品を売っていました。
食べ物とドリンクメニュー(奥には缶酎ハイやウィスキーもありました)。
惣菜系のメニューは夕食のおかずよりも豪華な気がする・・・。
チェックインの際にもらった館内見取り図。
今回宿泊したのは新館2階の「横岳」でした。料金は人数に関わらず1人2食付で11,200円。
玄関から右の建物へ。第1食堂を通り過ぎると奥に新館があります。
共同トイレや洗面台もこの第1食堂近くの階段を降りたところにあります。
新館の玄関。ここからはスリッパを脱いで裸足で。
真夏の連休の前日だったのに予約が取れて意外でしたが、1階も2階も空室がありました。
今回宿泊した2階の真ん中の部屋「横岳」
部屋は6畳くらいの広さ。小さなちゃぶ台、壁にはミラーとハンガーだけでアメニティは何もなし。
電源コンセントなし、帯充電用のコンセントは本館の方にあるようです。1回100円。
冬場はちゃぶ台がコタツに変わるようです。
この部屋ではドコモの携帯電波は〇が1つ点いていて、メールは問題なく使用でき、通話はとぎれとぎれでした。
山友から届いた、八ヶ岳を縦走してきたというメールを見ているオヤジ。
押入れには布団が4組。掛布団はせんべい布団、それと重たい毛布、やや硬めの枕がありました。布団はセルフで敷きます。
8月中旬で例年の平均気温は日中17度前後、夜は10度前後ですが、夜も薄い長そでのTシャツで過ごせました。
布団は重たいので、寒くなると半分掛けて、暑くなるとどかしてという感じで、タオルケットくらいでも十分でした
窓側から見た部屋。
他の部屋から物音は聞こえませんでしたが、防音はされていないのではないかと思います。
窓からの景色はベンチのある本館玄関前の広場。
「横岳」という名前が付いているので、晴れていれば山が見えたのかもしれません。
新館には窓からまたいで出る木製のベランダがあります。
曇り時々小雨の日だったからか、窓から虫が入ってくることもなかったです。
右隣の角部屋「硫黄」は「硫黄岳」が見えるようです。
左隣の角部屋は「御来光」という名前がついていて、朝日が見える部屋です。
こちらは本館1階にある空いていた大部屋「樺」。ロフトスペースにも布団が用意されていました。
大部屋の場合には定員分の布団を敷くと隣り同士くっついた感じになるのでしょうかね。
ただ、一般の山小屋とは違い、定員以上の人数を受け入れないので、1畳に3人寝るような事態にはなりません。
本館1階の左側にある乾燥室。自炊する場合はここで。
自炊といってもガス台等はなく、テント泊の時のようにバーナーや鍋を使った自炊になります。
その隣の談話室。本棚にはコミックや雑誌が置いてあります。
宿泊者が多い時にはここで山談義になるのでしょうが、今回は誰もいませんでした。
トイレに向かう階段。
消灯は夜8時ですが、部屋前の廊下からトイレまでは一晩中明かりがついているので、懐中電灯やヘッドランプがなくても大丈夫でした。
その先の内湯に向かう階段は真っ暗だったので、ランプが必要です。
飲用の天然水が流しっぱなしの洗面台と男女別のトイレ。
近年リフォームされたばかりで、トイレの臭いも気になりませんでした。
天然水は真夏でも顔を洗う手が5秒で痛くなるほどの冷水でした。
女性用のトイレは和式2つ(1つは故障中)、洋式2つでした。
半水洗で水を流すレバーが付いていますが、使用済みのペーパーは流せず、横に置いてあるゴミ箱に捨てます。
夜8時に消灯になるので、それを見越して夕食後にはすぐに寝てしまう人が多いのか、夜中の1時~2時頃にもトイレの出入りが多かったです。
「本沢温泉」は寝泊まりするだけの本当の山小屋に比べると快適だと思います。
館内は清潔感もあり、山の中でもそれほど虫も多くなかったです。
部屋が2階にあると、トイレと内湯までの階段の上り下りがちょっと面倒かなというくらいでした。
接客に関しては若いスタッフが多かったからか割とフレンドリーでした。
以上、館内と客室でした。
【本沢温泉 お食事編(夕食・朝食・お弁当)】
本沢温泉の夕食は18:00スタート、朝食は6:00スタートです。
チェックインの際には時間に遅れないように念を押されます。
今回利用したのは本館右側にある「第1食堂」。
本館2階には「第2食堂」もあるようですが、そこまで混んでいなかったと思います。
右側は小上がり席。おそらく本館宿泊者用。
左はおそらく新館宿泊者用のテーブル席。
4人掛けのテーブルをつなげて8人で1グループになっていて、鍋物やご飯のお櫃を取り分けます。
だから、遅れて来くると食べ物がなくなるよ~ということなのかもしれません。
朝も同じ席で。2人連れの場合、座席は対面でした。
【本沢温泉 ドリンクメニュー】
ドリンクメニュー
地酒も豊富。
ドリンクはその場で現金を支払います。
まさかの山小屋に生ビールがあったので注文。
2杯目はこけももサワーにしようと思ったら、焼酎が品切れだったのでジュースに。
渋みのある濃厚な山のジュースでした。
【本沢温泉の夕食メニュー】
夕食のおかずはプレートで出てきます。
豚肉と野菜のキムチ風炒め、漬物、アジフライ、蕎麦、切り干し大根の煮物。
他のブログで見ても全く同じメニューの時が多いようです。
他には天ぷらやおでんのパターンもあったり、何かのイベントの時にはサービスが付いたりするようです。
ご飯はお櫃に8人分。足りない人はおかわりできますということでした。
鍋には肉団子、高野豆腐、キャベツ、ナルト。
味噌にほんのりキムチの素が入っているようなチゲ鍋風でした。
私が盛り付けましたが、良い具合に8人分均等に分け切りました(^^♪
夕食の品数は少なかったですが、味付けは十分満足できる内容でした。
ビールとジュースに汁物でお腹がいっぱいになったからか、ご飯のおかわりはしませんでしたが、男性は物足りないかもしれません。
うちのオヤジはキムチ味が好きではないのか残してしまい、食後にお菓子を買い込んで食べていました。
【本沢温泉の朝食メニュー】
朝食は朝6時から。5分前ごろに部屋までスタッフが起こしに来ました。
消灯時間に寝てしまうと夜中にトイレや内湯に入ってしばらく寝つけず、明け方ウトウトし始めた頃に起きることになるので、6時の朝食は辛かったりします。
朝食はサツマイモの煮物、ウィンナー、卵焼き、いわしの味噌に、昆布、梅干し、海苔。
ご飯とお味噌汁は取り分けてもらいました。
朝食はかなりの少量ですが、下山したら美味しいものを食べようと考えていたのでこのくらいでちょうど良かったです。
これから登山という人は物足りないかも。
【本沢温泉のお弁当】
チェックインの際にはお昼のお弁当をどうするか聞かれるのですが、登山もしないのにとりあえずお願いしておきました。
朝食の時に用意されていたお弁当。紙パックのお茶もついています。
お弁当の中身は肉団子とサツマイモの煮物、ブロッコリー、卵焼き、しば漬け、日の丸ご飯でした。
【本沢温泉 雲上の野天風呂(白濁硫黄泉)】
本沢温泉のメインイベント、標高2,150mにある雲上の野天風呂です。
山小屋からは徒歩で7~8分、ゆっくり10分くらいかかります。
すり鉢状のガレ場にあるため、足元が危ないため日帰りでも宿泊でも入浴できるのは日が出ているうちです。
8月中旬では18:40分くらいまで十分明るかったです。
日帰り温泉やテント泊の場合は、山小屋にある売店で料金を支払います。
野天風呂は混浴なので女性はバスタオル巻、湯浴み着、水着もOKなのですが、着替える場所は湯船の目の前のガレ場で囲いもないため、山小屋から湯浴み着にパーカーを羽織って出かけました。
山小屋から夏沢峠・野天風呂の案内が出ているので、迷うことはないと思います。
ほとんど登山道のような道なので、サンダルではなく登山靴がおススメです。
細い道から渓谷沿いに出る途中には温泉分析書の看板が出ていました。
渓谷に出るとガレ場にポツンと小さな湯船が見えました。
先客さんはちょうど出るところ。
野天風呂に下りるまでは急な斜面なので足場も悪いです。
お風呂の周りには湯もみ板のようなものが置いてあるだけ。この上で着替えます。
上から歩いてくる人には丸見えなので、女性がここで位置から着替えるのはほとんど無理ですね。
崖側は斜面だし、バランスを崩すと谷底へ落ちそうなので男性でも着替えに一苦労です。
今回は夕食前の4時過ぎ頃の間、ちょうど隙間時間に貸切で入浴できました。
その後もポツリポツリとテント泊の人がやってきて混浴になりましたが、烏の行水で帰って行きました。
後から親子やグループで来ている人は空くまで待っているようでした。
湯浴み着で入浴中。
もっとお湯がヒタヒタに溜まっているのかと思ったら、座るとちょうど良い深さになっていました。
温度は41度ちょっとで快適でした。
パイプの湯口
足元湧出と言うけれど、湯船の底から湧いている感じはしません。
踏み台の所には泥のような灰色の湯花。
酸味と苦味のある弱酸性の硫黄泉です。
雲上にある絶景野天風呂でロケーションの方が勝る温泉かと思ったら、思いのほか濃厚な硫黄泉で泉質も抜群でした!
体中に硫黄の匂いが染みついて満足です♪
源泉名「本沢温泉 野天風呂」泉温40.8度(気温20度)
泉質:酸性-含硫黄-カルシウム-マグネシウム―硫酸塩泉(硫化水素型)(弱酸性低張性高温泉)pH?
溶存物質(ガス性除く)1,844mg 成分総計2,399mg/kg
メタケイ酸256.8mg 硫化水素イオン30mg 遊離硫化水素95.7mg 遊離硫化水素460.1mg/kg
源泉かけ流し、加水・加温なし、塩素消毒なし
適応症:神経痛、打ち身、ねんざ、高血圧症、冷え症、五十肩
もう1度入りたいけれど、天候や体の調子もあるので、できるだけ1回で長い時間浸かりました。
翌朝は日の出前に来るつもりが、夜中に目が覚めて二度寝をしてしまい、体がだるくてここまで来るのが億劫でした^^
【本沢温泉 内湯(赤湯)】
内湯の「苔桃の湯(こけもものゆ)」は野天風呂とは別源泉で金気臭のする「赤湯」です。
野天風呂とは別料金になりますが、日帰りでも利用できます。
ただし、宿泊者が多い場合にはお断りされることもあるそうです。
日帰りの場合、野天風呂と内湯の両方を利用すると、記念のタオルをもらえると書いてありました。
*「苔桃の湯」は冬場には温度が下がるためか、夏期限定になっており、冬は屋外にある「石楠花の湯」を男女交替で利用することになっています。
「苔桃の湯」は男女別の内湯が1つずつあり、24時間利用可能です。
午後8時以降は消灯されてしまい階段が真っ暗なので、懐中電灯が必要です。
何も持たずに夜中にオヤジが出かけて行き、階段を転げ落ちているんじゃないかと見に行ったら手探りでたどりついたようで真っ暗な中入浴してました^^
トイレのある地階からさらに2階分下りて行ったところにある内湯。
脱衣所には棚とかご、ベンチと鏡、ゴミ箱だけ。
お風呂にはシャワーもカランもなく、自然保護のためせっけんやシャンプーも使えません。
浴室を開けるとお湯が冷めないように重たい木の蓋がしてありました。
湯温が高いので夏場は逆に蓋をしなくてもいいんじゃないかと思うのですが。
蓋を開けると中から赤湯が。
湯舟は4人サイズの大きさ。
底がシャリシャリするのですくってみると、砂に混ざったパラフィン上の湯花が大量に沈んでいました。
湯口はどこにあったのか、板をどかすのが面倒で確認していません。
色合いからも分かるように金気臭はしますが、炭酸も多く甘味のあるお湯でした。
オレンジ色の濃厚な色。透明度は20センチくらい。
温度は44度強ありかなり熱め。加水用のホースなんてもちろんありません^^
野天風呂の硫黄泉もかなり濃厚だったけれど、赤湯の方も相当な濃さ。
登山で歩いて疲れた足の部分に沁みて、筋肉痛には効きそうなお湯でした。
出てからしばらく汗が引かないです。
ここが山小屋でなかったら、日帰り客で混雑するであろう極上のお湯でした。
浴室には桶と椅子だけ。
さすがに、この赤湯で髪を洗うのは断念しました。
連泊する人がいるかは分かりませんが、髪の毛は洗面台の冷水で洗うのでしょうか。それはそれで荒行のような冷たさです。
下山後は「稲子湯」か「八峰の湯」(やっほーの湯)に寄れば洗えますが。
男湯の方は倍くらい広い・・・。
源泉名「本沢温泉 内湯」 泉温53.1度(気温20度)
泉質:ナトリウム-カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉(中性低張性高温泉)pH?
溶存物質(ガス性除く)4,457mg,成分総計4,858mg
メタケイ酸177.8mg 遊離二酸化炭素393.9mg/kg
源泉かけ流し、加水・加温なし、塩素消毒なし
適応症:神経痛、打ち身、ねんざ、高血圧症、冷え症、五十肩
【本沢温泉の動画】
駐車場まで~ハイキング~本沢温泉館内・客室~雲上の野天風呂~夕食~内湯~朝食の順に編集しています。
YouTubeアプリを立ち上げると、概要欄、またはコメント欄に各チャプターのリンクがあります。
【本沢温泉 宿泊の感想】
「歩いてしか行けない秘湯」「雲上の湯」「絶景露天風呂」というキーワードが目立つ本沢温泉ですが、実は泉質が抜群だったのに驚きました。
白濁した硫黄泉の野天風呂も良いですが、内湯の赤湯もかなりのものです。
二種類の源泉が楽しめて登山のついでに泊まれる山小屋なんて最高だと思います!
温泉のためだけに歩いて行くのは少々大変ですが、他の山小屋の温泉に比べると道中は比較的楽な場所なので、日帰り利用も十分アリだと思います。
泊りの場合は、登山をしなくとも山小屋気分を味わえるので、それはそれで楽しいと思います。
今度泊まるとしたら、自炊してみたいですね。
あの登山道ならば、壊れてもいいキャリーバッグに冷凍肉を詰め込んで引いて行けるんじゃないかという気がします。
あくまでも温泉が目的で赤岳や硫黄岳には登らないのが前提ですが(^_^;)
返って来てからお盆の墓掃除に出かけたお寺の階段の方がきつかったです^^
登山の難易度 ★~★★★(天候・スタート地点による)
運転技術 ★★★★~★★★★★(ゲート前から出発する場合)
部屋の広さ ★★★3.0
設備 ★★2.5
アメニティ ★1.0
清潔感 ★★★★4.0
宿の雰囲気 ★★★★4.2
接客サービス ★★★★4.2
夕食の味 ★★★★4.2
メニュー構成 ★★★3.0
朝食の味 ★★★3.5
メニュー構成 ★★2.8
泉質 ★★★★4.4(野天) ★★★★4.6(内湯)
お風呂の雰囲気 ★★★★★5.0(野天) ★★★★4.2(内湯)
混浴難易度 ★★★
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
【山の温泉 関連記事】
◆新潟県 白馬岳 蓮華温泉 白馬岳蓮華温泉ロッジ 日帰り入浴
◆富山県 北アルプス らいちょう温泉 雷鳥沢ヒュッテ 日帰り入浴
◆富山県 北アルプス らいちょう温泉 ロッジ立山連峰 日帰り入浴
【本沢温泉周辺の関連記事】
[スポンサーリンク]
ブログ掲載の温泉 都道府県別 | |||||||
北海道 | 道南 | 道央 | 道北 | 道東 | |||
東北 | 青森県 | 秋田県 | 岩手県 | 山形県 | 宮城県 | 福島県 | |
関東 | 栃木県 | 群馬県 | 埼玉県 | 茨城県 | 千葉県 | 東京都 | 神奈川県 |
甲信越 | 山梨県 | 長野県 | 新潟県 | ||||
北陸 | 富山県 | 石川県 | 福井県 | ||||
東海 | 静岡県 | 愛知県 | 岐阜県 | 三重県 | |||
近畿 | 滋賀県 | 京都府 | 奈良県 | 和歌山県 | 大阪府 | 兵庫県 | |
中国 | 岡山県 | 広島県 | 山口県 | 鳥取県 | 島根県 | ||
四国 | 徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 | |||
九州 | 福岡県 | 佐賀県 | 大分県 | 熊本県 | 長崎県 | 宮崎県 | 鹿児島県 |
沖縄 |
TOP | 入湯履歴 | グルメ&観光 | YOUTUBE温泉動画 |
日帰り温泉 | にごり湯 | 混浴のある温泉 | 温泉グッズ |
「日本秘湯を守る会」、源泉かけ流しの日帰り入浴・宿泊の口コミが気になったら、「秘湯宿.com」で検索♪
☆ 食事もおいしい「日本秘湯を守る会」会員宿 ご飯も美味しい厳選宿のランキングを更新しております♪