北海道東川町にある天人峡温泉「天人閣」の入浴レポートです。
【天人峡温泉 天人閣】温泉情報
てんにんきょうおんせん てんにんかく
*2018/12月に閉館しました
◆お風呂
男女別大浴場各1(内湯2 露天風呂1)*深夜1時に入替制
天人閣 温泉の口コミ評価:楽天トラベル4.26点、じゃらん4.3点/5.0点
【天人閣の温泉の特徴】
◆笹濁りの鉄臭のするお湯でかけ流し100%
◆目の前が絶壁&開放的な露天風呂がある
◆内湯は廃墟系でかなりガタがきている
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【日帰り入浴】
営業時間:12:00~17:00
料金:大人1,000円 小学生500円(フェイスタオル付)
*日帰り営業時間帯は男湯が「大岩風呂」、女湯が「見返り岩」です
【天人峡温泉 天人閣 宿泊 その3 お風呂編】
天人峡温泉の開湯は明治30年。
鉱物資源を探索中に発見されました。
大浴場に向かう途中にある源泉の案内
浴場から羽衣の滝に向かって200m先に源泉があるとのこと。
54度の源泉を落差を利用して引き湯しており、加水なしのかけ流し100%となっています。
「日本温泉遺産を守る会」源泉掛け流し風呂認定の宿です。
天人閣のお風呂は男女別の大浴場、内湯各2、露天風呂各1があります。
(他にもお風呂の数はありますが、管理が行き届かず閉鎖中です)
大浴場はフロントのある本館から売店のある通路を経て第3別館へ。
大浴場のある別館にはエレベーターはなく、階段の上り下りが少々大変です。
第3別館の大浴場の案内。
昼間は「見返り岩」が女性用、「大岩風呂」が男性用です。
どちらも実質地下2階にあるのですが、階段を降りる入口が分かれています。
この階段前に防犯カメラがあったので、
時間帯を間違えてしまう人いないようにとの配慮かもしれません。
【天人閣 「見返り岩」(天女の湯) 女湯】
女性用「見返り岩」の入口。
日帰りで利用する場合にはこちらが女性用となります。
脱衣所
20畳ほどの広さ。脱衣棚と洗面台、ドレッサーがあります。
カミソリとヘアブラシ、ドライヤーもあります。
天人閣のお湯については、「にごっている」「ゆざめしない」「効力バツグン」
ということで、ワクワク♪
浴室のドアを開けると手前にメインの半月状の浴槽、
その奥に正方形の浴槽、さらに壁を隔てた奥に正方形の浴槽があります。
浴室の第一印象は、「古い!(相当ボロイ)」
半月状のメインの浴槽 10~12人サイズの大きさです。
お湯は41度ほど。笹濁りです。
浴槽の縁は御影石だったのかもしれませんが、
レンガ色+析出物で元の姿が分からないほどです。
床のタイルも所々はがれていて、コンクリートがむき出し、黒ずんでいてかなり不気味。
潔癖症の人だと、素足で床を歩くのを躊躇してしまうかもしれません。
湯口は石を積み上げたもの。
ただ、ここからお湯は出ていませんでした。
管が詰まっていて使えないのかな。
代わりに、外から引かれたゴムのパイプが浴槽に突っ込んであり、
ここから源泉が投入されていました。
この笹濁りの湯にありがちな金気臭ですが、
内湯の方はほとんど感じられませんでした。
お湯自体は、近くの旭岳温泉「湧駒荘」や美瑛の「白金温泉」とよく似ていますが、
「湧駒荘」ほど濃くはなく、「白金温泉」よりはやや濃い感じでした。
入浴中の目線
壁側には五右衛門風呂。
案内板のような板はありませんでしたが、
手すりの付いた五右衛門風呂が3つ並んでいます。
腰までの深さがあり、座ると肩まですっぽり浸かれます。
浴槽の下に直火焚き用の炉がありますが、
窯の中は温泉ではなく、湧水の冷水(温度12度くらい)です。
温泉の方が短時間でポカポカしてくるお湯なので、
夏場にはクールダウンするのにちょうど良かったです。
でも、冬は厳しいですね~
もともとは温泉だったのでしょうが、
管理が行き届かないので、季節を問わず源泉は入れていないみたいです。
五右衛門風呂からの眺め。窓の外は露天風呂です。
メインの浴室にあるシャワー台。
ボディーソープとリンスインシャンプーが置いてあります。
メインの浴槽から奥に向かうと「和風浴槽」?
正方形の浴槽があります。
こちらは8~10人サイズの大きさ。
温度は39度くらいでぬる目でした。
お湯は少々なまり気味。
内湯の床は析出物で変色し、天井はボロボロ。
これが木造だったら風情につながるのでしょうが、
鉄筋コンクリート造りなので、廃墟のような寂れた印象が強かったです。
でも、露天風呂はなかなか風情があってよかったです。
内湯のドアから出ると、屋根付で半露天があります。12~18人サイズくらいの大きさです。
湯口
コップが置いてありますが、飲泉もできます。
内湯に比べると源泉付近は金気臭が強く、本来のお湯を堪能できます。
湯船の中も回転が良いのか、鮮度が良かったです。
湯船の底をさらうと手が茶色くなりました。かなり鉄臭いです。
入浴中の目線
お風呂の縁に移動すると、忠別川の清流(というより雨で濁流)と目の前に岩肌が迫ってきます。
「見返り岩の湯」という名前がついていますが、
この切り立った岩肌「涙岩」を見ることのできるお風呂ということです。
屋根があって開放感はイマイチですが、湯船から見える景色はダイナミックでした。
【天人閣「大岩風呂」男湯】
浴室は深夜1時に男女入替えがあり、翌朝までは「大岩風呂」が女性用となります。
こちらは日帰り利用の場合、男性用となっています。
男性用の方が脱衣所も広々としています。
洗面台
脱衣所の一角には蓑笠と忠別川に流れ着いたにれの木の一部が展示されていました。
人工芝の敷いてあるガラス戸の向こうが内湯です。
中央にはひょうたん型のメインの浴槽、その奥に丸い中サイズの浴槽。
左の岩肌は天然の壁をそのまま利用していて洞窟風呂風になっています。
でもやっぱり、第一印象は「古い!」でした。
メインのひょうたん型の浴槽。20人サイズくらいの大きさ。温度は42度ほどでした。
左奥の手すりで囲まれた部分は、脳梗塞などのリハビリ用に使う歩行湯だそうです。
入浴中の眺め(岩側)
苔むしていて、浴室の古さを強調しているような感じ。
瓢箪風呂の脇には飲泉所かと思いきや、湧水飲み場がありました。
ひょうたん風呂の奥にある丸い浴槽は8~10人サイズくらいの大きさです。
温度は41度強。
女湯に比べ、男湯の方が源泉の投入量が多いのか、内湯も鮮度が良く感じました。
シャワー台はひょうたん風呂の横と
露天風呂入り口前の2箇所にありました。
内湯の窓から見た露天風呂(大岩風呂)
男湯の露天風呂の方が開放感があって、眺めも良さそうです。
大岩風呂の全景
長方形の15mくらいあるお風呂で、30~40人入れる大きさです。
女湯とは違い、屋根もなく山の景色を眺めることができます。
入浴中の目線。
前日は雨でしたが、翌朝は快晴で眺めも最高でした。
女湯の露天風呂はお風呂の縁から渓谷と岩肌を見下ろす感じでしたが、
男湯の方はお風呂から溪谷まで5mほど離れているので、
下の忠別川は見えませんでした(右奥は「涙岩」)。
その点は女湯の方がダイナミックだったかもしれません。
奥にある源泉の湯口
湯口の付近は金気臭が強くキシキシする感じ。
でも、湯船が大きいため、浴槽内はもっとなめらかで臭いも薄かったです。
温度は41度強でした。
オーバーフローしている床の周りは茶色く染まっていました。
大岩風呂の奥には水車風呂がありましたが、こちらはお湯が張っておらず入浴できませんでした。
100人規模の大型旅館ですが、稼働率は低く、従業員の数も最小限といった感じだったので、
なかなか手が行き届かないのかなと思います。
浴室の奥には立入禁止のドアがいくつかあったりして、
思わず、廃墟、洞窟、秘密基地という言葉が浮かんでしまいました。
フロントのある本館の無料休憩室「天人の間」
12畳くらいの広さの和室にテレビが置いてありました。
他にフロント横のロビーに冷水サービスがあります。
【天人閣 温泉の感想】
第一印象は、とにかく古くてボロイ昭和の哀愁を感じる浴室でした。
団体客が押し寄せる時代は終わり、大きな設備が仇となってしまっていて、何とも物悲しい気分になりました。
とはいえ、大岩風呂の景色と解放感は抜群ですし、
女湯の見返り岩の湯も渓谷と岩肌のダイナミックな景色を楽しめるので、
古さ・ボロさを「味」と受け取れるのであれば、悪くないかなと思いました。
群を抜いてボロイのは浴室だけで、客室や食事は値段相応、接客は良かったので。
女性の場合、日帰りでは大岩風呂に入れないので、
そのために今回宿泊したといっても過言ではありませんが、
泊まって全部のお風呂に入れたのは良かったです。
泉質は中の上で、個性的なお湯に入った後だと少し物足りない感じでした。
口コミでは女湯の後に男湯に入ると泉質が別物だった!(男湯の方が良い)
という意見が見られましたが、
個人的には湯船の大きさに対し源泉投入量の多い女湯の露天風呂が一番良かったです。
泉質★★★★4.0
お風呂の雰囲気★★★★4.0(露天)、★1.5(内湯)
清潔感★★2.0
【天人閣 源泉温泉情報】
◆源泉 H9.9月の分析書
「天人峡温泉 天人閣第2号泉」 泉温53.2度 湧出量(自然湧出)
泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
(低張性中性高温泉)(旧泉質名:含土類-食塩―芒硝泉)ph6.3
蒸発残留物 2,458mg/kg 溶存物質2,729mg/kg 成分総計3,141mg/kg
態様:源泉かけ流し、加水・加温なし、塩素消毒なし
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
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