青森県むつ市にある恐山温泉「宿坊 吉祥閣」の宿泊レポートです。
お宿の基本情報はページの下部にあります。
⇒「恐山温泉 宿坊吉祥閣」へのアクセス詳細&宿泊予約はこちらのページへ
【こんな人におススメ】
◆恐山に泊まってみたい
◆お寺の境内にある温泉に入ってみたい
◆早朝参拝と精進料理を体験してみたい
宿坊吉祥閣の口コミ評価:Google 4.6点/5.0点
最終更新日:2022/1/25
訪問日:2021/5・2014/9
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【日帰り入浴】
営業時間:6:00~18:00(閉門)
料金:大人500円(入山料)
定休日:なし ※11月~4月末まで冬季休業
【イタコの交霊で有名な恐山の宿坊に泊まってきた!お部屋編】
個人の霊を呼び寄せて家族にメッセージを告げる「イタコの口寄せ」で有名な恐山に泊まってきました。
昔、テレビ朝日の「秘湯ロマン」という番組の後に、作家五木寛之の「百寺巡礼」というがあったのですが、ある時、恐山が取り上げられていました。
ちょうど下の写真のようにどんよりした雲に覆われた山と湖の浜辺が何とも言えない厳かな雰囲気を漂わせていて、いつか行ってみたいなと思っていました。
温泉巡りを始めるようになり、その恐山にこれまた風情たっぷりの木造の湯小屋があると知り、これは行くしかない!
ということで、関東から10時間以上かけて車を運転して下北半島まで行ってきました。
【宿坊の予約方法】
宿坊の予約は電話又はファックスのみです。
むつ市観光協会のサイトでは、1週間前から予約受付とありましたが、3日前に電話をしてみると、あっさりOKでした。
お祭りの時期や他にツアー客がいない場合には、直前でも大丈夫なのでしょうか。
※ホテルではないのでお電話は閉門(17:00頃)までに
TEL:0175-22-3826 FAX:0175-22-3825
恐山寺務所 0175-22-3825(代)
恐山は日本三霊場の一つ(他に比叡山・高野山)。
いずれも宗派の開祖が開山した霊場ですが、恐山は慈覚大師が開山し、現在は曹洞宗のお寺「菩提寺」があります。
ついでに、日本三大霊地というのがありまして(他に「立山」「川原毛地獄」)、いずれも硫黄の温泉が湧き出る山となっています。
イタコで有名な恐山。
死者をしのぶ場所、イタコの口寄せというのは、むつ地方独特の風習ではありますが、
それが全国的に広がって、ある種のパワースポットとなっています。
夏・秋の祭典時には全国から巡礼者が集まります。
ただし、イタコは菩提寺とは何の関係もなく地方の風習にすぎません。
(※2021年5月に訪問した際にはイタコの口寄せは行われておらず、誰もいない休憩所になっていました。感染症が終息するまでおそらく中止になっているのではないかと思います。)
そして、恐山菩提寺には「吉祥閣」という立派な宿坊があります。
もともとは巡礼者のお篭りのための宿ではありますが、信者でなくても、観光目的であっても、一般人も宿泊可能です。
外湯「冷抜の湯」
温泉ファンには嬉しいことに、
恐山は菩提寺の境内に男女別の湯小屋が3つ(女2 男1)、
宿坊の裏に混浴の湯小屋が1つ、
更に宿坊内には立派な大浴場があります。
【宿坊 吉祥閣の館内と客室】
宿坊には2014年9月と2021年5月に一人で宿泊しています。
2021年に宿泊した時にはなんと私一人しかいませんでした!
訪問の数日前だったか東京で緊急事態宣言が出たので、首都圏のお客さんたちは直前にキャンセルしたようです・・・。
GWは久しぶりににぎわっていたそうですが、人の多さに恐怖も感じたとおっしゃっていました。高齢の方が多いですし。
*2021年5月現在、宿坊内部の撮影は禁止されております。
お坊さんにとんでもなく失礼な撮影をした人がいたそうです・・・。日本人でそんな人いるのかなと( ゚Д゚) SNS等にアップされた写真はチェックしているそうですよ(‘◇’)ゞ
ということで、レポートと写真は2014年当時のものになります。
2021年に変更があった点だけ追記しています。
玄関
黒を基調とするモダンでシックなデザイン。
まるで都心の億ションかと見まごうようなエントランス。
だだっ広いフロントとロビー
かわいいお地蔵さん
館内のいたるところにある仏像等で宗教施設だと確認できるだけ。
ほとんど高級旅館の雰囲気です。
※コロナ禍が始まってから1年半経ってからの訪問でしたが、長い間休業中だったということでドリンクの自動販売機は撤去され、エレベーターは使えなくなっていました。
2014年には1階に泊まりましたが、2021年は1階に住職が寝泊まりされているということで、2階に案内されました。
2014年に宿泊した部屋は1階。
広々とした15畳の和室に4.5畳の衣裳部屋。1部屋に4~5人はゆったりと泊まれます。
※2階の部屋もほぼ同じ造りと広さでした。
掛け軸に床の間、障子等、造りは立派な高級宿です。
1泊3万円ですと言われても不思議ではないほど。
でも、1泊2食付で12,000円です。
5名利用の1名当たりの価格だったら分かるのですが、一人で泊っても同じ値段。
宗教施設ならではというか、採算を考える民間施設ではあり得ない値段だと思います。
住職にそう告げると、「またまた~」とおっしゃっていましたが、あの温泉にこの部屋だったら、関東では間違いなく3万円しますね^^
(2014年に宿泊した時には私の地元の方で働いていたというお坊さんがいらしたので、色々お話を聞けました。)
ちなみに、特に祭典もない平日は宿泊客も10組ほどなので、1人泊でもこの立派な部屋に1人で泊まれますが、
祭典時は相部屋になることもあるようです。
布団はあらかじめ敷いてありました。
洗面台は二つ
ウォシュレットトイレ
テレビ、冷蔵庫はありません。
お茶セット
本物の塗りの器でないのだけが宿坊かなという感じ。
浴衣とタオルセット。歯ブラシ以外にアメニティはありません。
浴衣は夕食後から朝のお勤めまでのプライベートタイムだけ着用できます。
部屋からの眺め
デザインを考慮してか、大きい窓には網戸がなく、夜、明かりをつけた後は虫が入って来るので窓を開けないでくださいということでした。
【宿坊の決まり事】
(2021年版)
テレビもなく、お酒も飲めず、夜10時で消灯と不便な場所ですが・・・
ということを強調されていましたが、
普段宿泊している秘湯の宿とほとんど変わらない?むしろ設備は充実している!
秘湯巡りもある意味、修行・・・等と考えてしまいました^^
そういえば、写真を撮り忘れましたが、室内の各コンセントには年月日が書かれたシールが貼ってありました。
硫化水素ガスで電化製品は1年も持たないと言っていたので、その目安に交換した年月日を書いてあるようです。
(※2021年にはなし)
住職曰く、眼鏡も錆びるし、携帯電話もすぐに壊れる。
なのに連泊する猛者もいて・・・
そういえば、宿坊前の駐車場では、コンクリートさえも突き破って硫化水素ガスと硫黄成分の湧水?が噴出していました^^
朝食の時には、硫化水素ガスで酔ってしまって、あまり寝付けなかったと言っていた方もいらっしゃいました。
※2021年は境内全体の硫化水素ガス臭が弱まっていたように感じます。
【宿坊宿泊者の特権!?朝のお勤め】
こちらは朝のご祈祷の料金表です(2021年版)。
宿坊に宿泊するメリットの一つに、朝のお勤めがあります。
普段はご祈祷する人だけしか入れない地蔵殿の入口。
朝6:20分集合。朝食前の45分ほどお勤めがあります。
はじめに、正門のまっすぐ奥にある地蔵殿で無縁仏の供養、その後、参拝者の現生利益の御祈願があります。
ご祈祷希望者のみならず、宿泊者全員の住所と名前を読み上げていただけます。
※2021年は私一人にもかかわらず参加させていただきました。
続いて、参道中ほど左側にある本堂に移動して再び慰霊が始まります。
若くして亡くなられた方の遺影等がたくさん飾られていました。
特に女性に対しては、花嫁姿の人形がたくさん奉納されていたのが印象的でした。
【恐山にはとても有名なお坊さんがいます】
部屋の床の間に置かれていた禅僧の本。
恐山の院代をされている、「南 直哉」という有名なお坊さんです。
寝る前に読みましたが、初めの方は僧侶になるきっかけというか、内面の闇が描かれています。
50ページほどで気分が悪くなり、そっと本を閉じました。
とても興味深い本でしたが、寝る前に読む本ではありませんでした・・・。
また機会がある時にゆっくり最後まで読みたいと思います。
【恐山と言えば・・・】
恐山と言えば、イタコの口寄せの他にも有名なものがあります。
秘湯ファンならば他でも見たことのある硫黄の源泉が湧き出る地獄の風景。
硫化水素ガスで黒く変色したお賽銭が・・・。
お地蔵さんに奉納されたたくさんの風車。
風車は生花の代わり。
硫化水素ガスでお花がもたないからこのようになったと言われているそうです。
※2021年は風車も1~2本しかなくて寂しい風景が広がっていました。
この世とあの世を結ぶ極楽浜(「宇曽利湖」うそりこ)。
極楽浜に来ると、故人をしのぶ家族の方々の思いが伝わってきました。
【宿坊 吉祥閣 お部屋の感想】
宿坊はとにかく立派!の一言。
寺社マニア、温泉マニア、物見雄山の観光、故人の慰霊と目的は様々ですが、開門前の朝の風景、開門後の雰囲気、普段は入ることのできない本堂の中等、宿坊に泊まらなければ体験できないことがたくさんあるので、一生に一度は宿泊しておくべき場所だと思います。
お部屋の広さ ★★★★★5.0
清潔感 ★★★★★5.0
宿坊の雰囲気 ★★★★4.5 (人によるかも。霊感ある方は・・・)
設備アメニティ ★★★★4.2
接客サービス ★★★★4.0
※2021年の様子
しばらくコロナで休業していて、再開したと思ったらまた緊急事態宣言。
以前の荒涼としつつも活気のある恐山とは全く違って感じました。
昼間の訪問者もまばら、温泉まで入りに来る人はその何分の1。
地獄の湯けむりも硫黄臭も勢いが弱まってしまっていて、以前の荒涼とした境内は単に寂れた雰囲気になってしまっていました。
人がいなくなると自然までおとなしくなってしまうのか?恐山を恐山たらしめているのは人々の想いなのかなぁと。
温泉だけは相変わらず良かったです^^
⇒「恐山温泉 宿坊吉祥閣」の予約方法、アクセス詳細はこちらへ
”お出かけの際には「秘湯宿.com」を見て来たと言っていただけると幸いです♪””
【恐山温泉 宿坊 吉祥閣】基本情報
おそれざんおんせん しゅくぼう きっしょうかく
住所:〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山3−2
TEL:0175-22-3826 FAX:0175-22-3825
恐山寺務所 0175-22-3825(代)
公式サイト
【宿泊料金】
1泊2食付 12,000円(30名以上の団体は10,000円)
お一人様○ 素泊まり× 湯治× 自炊×
7月20日~7月24日の夏祭典時、10月8~10前後の秋祭典中は相部屋になる場合もあります。
【宿情報】
チェックイン/チェックアウト
クレジットカード決済×
携帯電話送受信△(建物奥には届かない) Wi-Fi×
エレベーター△
バリアフリー△
※エレベーターが復活すれば○
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
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