長野県大町市の高瀬渓谷・湯俣川沿いにある野湯の入浴レポートです。
最終更新日 | 2017/10/4 | 訪問日 | 2017/9月中旬 |
【湯俣温泉 野湯 & 噴湯丘】基本情報
ゆまたおんせん のゆ & ふんとうきゅう
住所:長野県大町市平湯俣(北緯36度23分47秒, 東経137度40分32秒)
TEL:なし
公式サイトなし
口コミ評価:google 4.4点/5.0点
【こんな人におススメ】
◆歩いてしかたどりつけない野湯に入りたい
◆硫黄泉のにごり湯が好き
◆天然記念物の噴湯丘を見てみたい
◆竹村新道登山の寄り道に
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【日帰り入浴】
営業時間:24時間
料金:無料
*川の増水時は立入出来ません
アクセス
「高瀬ダム」から徒歩約3時間20分、湯俣温泉「晴嵐荘」から徒歩20分。
国土地理院地図
参考:google map
【静寂と絶景を独り占めできる野湯 湯俣温泉 川沿い露天風呂】
「湯俣温泉」の野湯は、高瀬ダム約10キロ、高瀬川の上流、湯俣川と水俣川が合流する付近にあります。
交通機関があるのは「高瀬ダム」まで、そこから先の移動手段は徒歩だけです。
「高瀬ダム」からは約10.5km、片道およそ3時間20分、近くの山小屋「晴嵐荘」から上流方面へ約20分です。
湯俣温泉の先は超上級者用の登山コースしかなく、ハイシーズンでもそれほど人通りのある場所ではありません。
野湯目当てに訪れる人も、夏休み以外そう多くはないでしょう。
絶景を独り占めできる野湯を求めている人にとっては天国のような究極の秘湯です!
近年は毎年のように大雨で増水し、川の流れが変わって吊り橋が渡れなくなるなど、天候に左右される点では難易度の高い野湯ですが、道中はほぼ平坦な道のりなので、3時間近く歩く体力さえあればたどり着けます。
【目次】
でお送りします。
【晴嵐荘から川沿いの野湯・噴湯丘までのアクセスと装備】
「高瀬ダム」からはおよそ3時間近い道のりなので、軽登山靴・雨具、熊鈴、飲料水、非常食などの登山装備が必要です。
「晴嵐荘」からは20分くらいと近いですが、途中ロープで崖を下りたり、川の浅瀬を歩く場合もあります。水量が多い時にはかかとのないサンダルでは流されたり、滑ったりするので危険だと思います。
川原には野湯は先人の手掘り露天風呂がいくつかありますが、砂や石が入り込んで浅瀬になっているので、しっかり浸かりたい場合にはスコップがあると便利です。源泉が熱いので、念のため温度計もあると良いかもしれません。
周りには誰もいないことが多いでしょうが、崖上の登山道からは見渡せる場所にあるので、女性は水着又は湯浴み着等を用意して行った方が良いと思います。バスタオル巻は帰りの荷物が重くなり、乾きも悪いのでおススメできません。
噴湯丘は進行方向の対岸にあるので渡歩しなければなりません。夏場は一番深い所で股下~腰くらいまであり、かなりの急流なので、経験者と同伴で。近年、死亡事故も起きている場所なので、無理は禁物です。9月下旬~10月頃は比較的水量も少なくなるようです。
天候や現地の最新情報を入手してお出かけしましょう。
今回は「晴嵐荘」に宿泊し、翌朝8時前に出発、現地で着替える場所があるのか不明だったので、水着に湯浴み着、さらに上着を羽織り、登山靴を履いて出かけました。
水辺で履きかえるマリンシューズも持って行きました。
「晴嵐荘」前の吊り橋。
「高瀬ダム」方面から来る場合、山小屋に行くにはこの吊橋を渡りますが、野湯のある「噴湯丘」方面は吊り橋を渡らずに直進します。
看板には吊り橋から「噴湯丘」まで16分と書いてありますが、進行方向から「噴湯丘」のある対岸に渡るには相応の装備と技術が必要なので、実際には「噴湯丘」の手前まで20分くらいかかります。
「晴嵐荘」から5分くらい川沿いを歩いて行くと小さなダムの管理棟が見えてきます。
管理棟の脇に入ると道がなく行き止まり?と思ったら、左奥に細い通路がありました。
矢印を奥へ。
このダムの周りは南国のビーチかと思うほど、川の水が青く澄みきっていました。
ダムの管理棟からすぐ先に吊り橋が見えてきました。
吊り橋の入口にあった看板。
廃道になった「伊藤新道」(がけ崩れの後のようなケモノ道)と槍ヶ岳方面。
どちらも気が遠くなるほどの遠い道のりです。
2017年夏に崩壊しかかったという吊橋。
その時の写真では橋全体が斜めに傾いていましたが、9月中旬にはもう補修されていました。
いつ崩壊してもおかしくない? 1人ずつ慎重に自己責任で。
板の間から見える渓流。
意外としっかりしていましたが、万が一崩落しても良いようにロープにしっかりつかまりながら歩きます。
吊り橋に続く細い橋。
川原の崖の上には山の神様の祠がありました。
「出合山神宮寄進?」 昭和8年旧4月17日建立
山神様の祠から川原に垂れ下がるロープ。
「ロープは安全を約束するものではありません。」なんていう怖い看板。
なぜ山奥に教育委員会?と思ったら、登山設備はスポーツ庁の管轄ってことで、都道府県では教育委員会になるのでしょうか。
ロープは特に切れかかっている箇所もなく、無事に下まで降りることができました。
ロープを降りると川原のすぐ横に来ました。まだ湯けむりは見えず。曲がりくねった先かな?
50mほど歩くと谷間の奥の方に煙が。
湯けむりに近づく。
突然、川原はなくなり、崖の真下にはすぐ川が。水に浸かった大きな岩に阻まれる。
良い感じに丸太が突っかかっていて、水面から少しだけ頭が出ている石の上を渡って奥に行くことができました。
ここは川の水量によっては断念しなければならない場所かも。
真上はほぼ垂直の崖なので、崖の上を伝って奥に行くのは無理です。
丸太を通り過ぎると辺り一面湯けむり。
川原全体から源泉が湧き出ているようです。
硫黄の成分のせいなのか、石が真っ黒に。
石にへばりついたクリーム色の湯花がとろろ昆布のようにユラユラ揺れていました。
川原にある湯だまりは激熱(70~80度くらい)。
温泉たまごも作れそう。
レトルトパックの食品、飲み物を持って来れば半日過ごせそうです。
*念のため、この周辺は指定のテント場ではありません。
川原から湧き出た源泉が川の中に流れ込んでいて、そこに先人の手掘り露天風呂が3つありました。
この露天風呂は川の水を引き込めば適温になり入浴可能に。
対岸にも大きな湯けむりが。露天風呂の対岸100m先に「噴湯丘」。
対岸の「噴湯丘」から下流50mほどのところにも先人が手掘りしたと思われる露天風呂が複数ありました。
というわけで、入浴可能な野湯は吊り橋から道なりに200~300mちょっとの上流にあり、「噴湯丘」はさらに対岸100m先になります。
「噴湯丘」側の手前50mほどの所にも露天風呂が見えましたが、対岸に渡るのは川の水量と相談です。
【噴湯丘と対岸の様子】
「噴湯丘」のある対岸には渡れそうかな?
以前は中洲がそのままつながっていて川原を歩いて渡れたそうですが、現在は川幅が広くなったため、渡歩しなければならなくなってしまいました。
手掘りの露天風呂から道なりに上流に進んでみましたが、渡れそうな川幅の所でも一番深い部分は股下~腰くらいまでありそうでした。
2017年は梅雨明け後に大雨と台風が続いたため、9月中旬で前後3日間は雨のない日でもこの水量。
雪解け水ほど冷たくはなく、全身ずぶ濡れになっても大丈夫そうな水温でしたが、少しでもヨロければそのまま流されてしまいそうな急流でした。
こんな釣り用の装備があればよかったかなと思いましたが、水位よりも踏ん張れる足腰がないと意味がないですね。
山小屋でも止められましたが、1人で丸腰で流されたらただのお馬鹿さんなのでやめておきました。
約10日後に訪問した人によると、もう少し浅瀬になっていて、ザイル使用で渡歩できたようです。
台風も大雨も少なくなる10月上旬前後が一番良いシーズンのようです。
対岸の高台から撮影した「噴湯丘」。
地中から温泉の成分が噴き出して幾重にも石灰が固まってできた小さな岩。
高さ3m位ありそうでした。
「噴湯丘」の周りにも源泉がありますが、川から離れていて水を引き込めないので激熱らしいです。
どうしても「噴湯丘」の横に立って一緒に記念撮影したい場合には、頑張ってください^^
【入浴可能な川沿いの野湯】
「噴湯丘」の存在を確かめてから、先ほどの下流にあった手掘り露天風呂に戻って入浴です。
川の浅瀬に川原から流れ出たお湯をせき止めて石を積ん2~3人サイズの露天風呂が3つ並んでいました。
ほとんど川の中にある湯船です。
砂が入り込んで浅くなっているので、足を延ばして座るとおへその位置までお湯が来るかどうかという深さでした。
底の方からも熱い湯が出ていて、手で掘り起こそうにも無理。
「晴嵐荘」にあったスコップを借りてくれば良かった。
折り畳み出来るスコップがあればなお便利です。
お手頃な物ならば、100均ショップでアルミのスコップも売っています。
一番上流側の湯船。グレーのにごり湯。
川側は42度くらいでちょうどいいですが、底の方は50度くらいある尻焼温泉でした^^
川の水を多目に入れてみましたが、お尻が熱いのでじっとしてられず。
下流にある3つ目の湯船は底から源泉が出ていないのか、座っても熱くない温度だったのでそちらに入りました。
一番下流の湯船。ほぼ寝湯の状態。
3つ目の湯船は38度くらいで出ると寒いけれど、入ったままならば快適。
加水率50%くらいになってしまっていますが、風に乗った硫化水素ガスで硫黄泉に入っている気分は満喫できます。
川との一体感が素晴らしい。
ほとんど川の中に寝ているような姿勢で入っています^^
まだ周囲には登山者もいないはず。
川の音だけで鳥のさえずりさえ聞こえない。
自分だけ異次元に来てしまったかのような怖すぎるほどの静寂。
何とも不思議な感覚に陥りました。
【湯俣温泉 川沿いの野湯の感想】
あちこちから立ち上る湯けむりに、日本とは思えない景色。
硫黄泉のにごり湯につかりながら、絶景を独り占め。
何も言うことはありません!
登山コースは上級者向きながら、温泉だけが目当てならばアクセスも容易。
歩いてくる甲斐のある野湯です。
天気の良い日を狙ってぜひ挑戦してみてください♪
泉質 ★★★★4.0 (加水が多いので)
お風呂の雰囲気 ★★★★4.7
清潔感 ★★★★4.3 (苔なし、虫なし、入りやすい)
大町温泉郷の宿 ここから予約できます
【湯俣温泉 温泉情報】
◆お風呂
手掘りの露天風呂が複数(混浴)
◆源泉
「湯俣温泉」泉温50~85度 湧出量 不明(自然湧出)
泉質:おそらく単純硫黄泉(硫化水素型)pH?(おそらく中性)
蒸発残留物 -mg/kg 溶存物質(ガス成分を除く)-mg/kg 成分総計-mg/kg
態様:源泉かけ流し、川水による加水あり、加温なし、塩素消毒なし
*ブログの内容は掲載時の情報です。
基本情報の変更がある場合もございますので、お出かけの際には施設にお問合せ下さい。
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